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クリスマスの仄かな物語/Side AST
※CNo.122『キャラクターリンク』コミュイベント用(ほたるサイド)です。
ENo.168 ステラブライエさんをお借り致しました。ありがとうございます。
当記事はAC保有の先見艦[Moulin.Rouge.]より寄せられた、定時報告の一部です。
軍事的な機密事項については、一部仮名でお伝え致します。ご了承ください。
私達は故あって、皆様の住まう本隊とは異なる、不毛の大地を旅しております。
曰く──否定の大地・アンジニティ。この分割世界群より「拒絶」されたモノが
最期に行き着く、謂わば流刑島です。私達の故郷…“Wy-Earth”の過去暗黒期にも
度々取り沙汰された「あぽかりぷす」の様な光景が、この不毛振りに近いでしょうか?
ですが、そんな惨と嘆が満ちあふれる嘆きの園にも、人が住んでいました。
そうなれば暦もあり、年の瀬・師走もあります。時折発見される村においても
年を越す準備に、人々は余念がありませんでした。現在立ち寄っているχ村。
そこで、私達の部隊も年を越すべく、キャンプを設営しております。
──私達、深瀬の姉妹の望みにより、それは日本の神宮を模した形態。
格好だけでなく、ちゃんと年賀に向けた加持祈祷もこなします。
とは言え異界の異教、あまり参拝客には恵まれておりません。
その中でお一人、珍しい方をお見受けしました。
一人の女性です。背格好は、私達と大して変わらない様に見えます。
しかしその首に掛かっているのは─十字架。以前見た文献に寄れば、
神話の原型は何処の世界でも共通したプロトコルを骨子に持ちます。
その理由は未だ研究の途上ですが…いずれにせよ、私達の神道とは
かけ離れた信仰を持つ事に疑いはありません。私が籤を差し出しつつ
聞いてみると、女性はステラと名乗りつつ笑って言いました。
「いいのいいの、信仰にはあまりコダワリがないからね」
──十字架はあくまで退魔の為であり、信じる神に偏愛的ではない。
退魔士であるのに、ステラさんはそう気持ちよく笑って帰られました。
…特に世界を追われるような異常者には見えませんでした。そんな方も、
些細なミスによって堕ちてしまうのが──否定の大地・アンジニティ。
この不条理な世界律を、もっと詳しく知るべきではないかと、私は思うのです。
ですがまずは、この地平を生きる人達に、瑞兆のある事を祈らずにはいられません。
そして彼女・ステラさんの来年に幸多かれと、信じずにはいられません。
2011/12/24 (Sat.) Trackback() Comment(0) 号外記事
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